テーマ:現代史】敗戦後のブラジル移民

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お名前: 広嗣
 日本はアジア・太平洋戦争に勝ったか、負けたか。この当たり前の結果が、1945年8月15日以降の暫くの間日本移民の間で大問題になりました。つまりアジア・太平洋戦争に日本は勝ったと信じ主張する人々が、日本移民の中にいたのです。「勝ち組」と呼ばれる人々は、ブラジル、アメリカ合衆国ハワイ州、カナダ、ペルーなどにいましたが、ブラジルとペルーを除き間もなく姿を消してゆきました。
 何故南米のブラジルとペルーに勝ち組が残ったのかはっきりしませんが、ブラジルでは特に勝ち組を目当てにした詐欺事件が頻発しました。帰国詐欺や「南方」への再入植を謳う詐欺、「宮様」を名乗る人物が現れたりと、日本にいては分からない詐欺が横行していました。
 勝ち組が勝ったと主張する根拠の一つに「天皇様がいらっしゃる」ということがありました。日本が負けたなら天皇がいる筈がないというのでしょうが、明治から敗戦にかけての「万世一系の現人神の天皇」を崇める教育を受けた世代であることを思い起こせば、分からないでもありません。そのことは日本に帰国した勝ち組の移民を見ればよく分かります。この家族は毎朝「御真影」に最敬礼し日本政府が国歌と主張する「君が代」を合唱していました。
 また当時の日本政府特に軍部は「三千年不敗」を公言していました。「三千年」は神武天皇が即位してから1945年で2605年目だということによるのでしょう。敗戦で軍部は慌てて白村江の戦いを例に敗戦したことのある事実を持ち出したように、1945年8月15日までの日本人は(移民を含む)、「勝利しか知らない」国民でした。
 21世紀も10年目を迎えようとする今日もブラジルに勝ち組がいるのか分かりませんが、情報が途絶した状況と教育が組み合わさった時の恐ろしさを示しています。


[2009年12月24日06時04分]
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