お名前: 四角五角
なんだか、牧歌的な風景と壮観な風景が見えるな〜。
でも、移動時間の長さを呼んでいると高校のときに行った北海道の修学旅行を思い出しますね。あれも、移動時間が長く私のクラスでは睡眠時間に、他のクラスではカラオケ大会になってましたから。
うーん、ニュージランドで聴く音楽ってどんなのが似合いだろう?
[2002年12月9日 22時26分31秒]
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お名前: 甘 興覇
どうもでございますです、甘 興覇です。
さて、”ミルフォードサウンド”です。この入江はN・Zで最も美しい入江と
呼ばれております。風光明媚で非常に有名であるのですが、同時にN・Zで最も
雨の多い地域としても有名です。年間の降雨量は6,000mmを越え、一週間の内
6日は雨が降ると呼ばれています。っなもんで、私たちもある程度の雨は覚悟
をして当日クィーンズタウンを出発しました。
観光バスの出発は午前6時45分、まずはどんどん南下をいたします。実は
ミルフォードサウンド自体は南緯45゜線より北側にあります。しかしクィーン
ズタウンとの間には南アルプスの大山塊群があり、直接西に向かうことが出来
ないのです。
南下すること2時間、ここより道を西にとりフィヨルドランド観光の基地
テアナウに向かいます。この間の道ですが、荒涼とした草原地帯が続きます。
さすがにこのあたりまで南下してくると、この時期緑は格段に減ってきます。
そうそう、この道の途中で初めて「ニュージーランド鷲」と「ポッサム」を
見ました。ニュージーランド鷲はN・Z固有種で猛禽類として鳥類の頂点に位置
する鳥です。この鳥が突然バスの前に降り立ち、飛び去ったときはほんと驚き
ました。ポッサムは元々はオーストラリアの動物なのですが、人によって持ち
込まれたものが自然繁殖してしまい、いまN・Zの草原に最も多い動物といわ
れてます。このポッサム牧草地を荒らすので、牧場主には害獣以外の何物でも
ないのですが、最近になってこの害獣の毛が非常に保温性に富むことがわかり、
メリノウールと組み合わせセーターやマフラーなどの製品として販売される
ようになってきています。実は私たちもこの手袋を買って帰ってきたのですが、
手触りも良くって、はい、なかなかの物でしたよ。
さて、テアナウには9:50頃到着しました。この町はテアナウ湖畔にあり、
ここから北にはミルフォードサウンドが西にはダウトフルサウンドという有名
な入江があります。またここはフィヨルドランド・トランピングの基地でも
あり「世界で最も美しい散歩道」と呼ばれる、”ミルフォードトラック”も
この町を起点としています。
3泊4日でフィヨルドランドの山中を歩き、数々の山・谷、川そして湖を
見て楽しみ、終点のミルフォードサウンドの入り口まで歩くこのトラックへは
日本からもツアーが組まれているほどです。
そして、さらにこの町を有名にしているのは”タカヘ”と”土蛍”です。
”タカヘ”はキウイと同様飛べない鳥で、太くて短い足に大きく丸まったくち
ばしを持つ鶏ほどの大きさの鳥です。この鳥も生息数が激減しており、テア
ナウ湖西岸のマーチソン山脈が数少ない生息地として、大切に保護されてい
ます。”土蛍”は洞窟に生息する夜行性の蚊のような昆虫で、その幼虫が尾に
発光器官を持っており、洞窟の中で青白く光るのです。これもテアナウ湖西岸
にある洞窟に生息しているのです。
さてさて、私たちはこのテアナウで20分ほどの休憩の後、テアナウ湖の
東岸をミルフォードサウンドへの道、「ミルフォードロード」を北へと向かい
ます。実はこのミルフォードロードも美しい景色が多いことで有名なのです。
テアナウ湖畔をバスは北へと走ります。この周辺は国立公園に指定されて
いることもあり、N・Z固有の植物も多く存在しています。前回にご案内した
”マヌカハニー”のもとになるマヌカの木もこの周辺に多く見られます。
湖畔を30分ほど走ると、バスは森の中へと入っていきます。この付近で
再び45゜線を北に越えます。そしてしばらく進むとこのコースでははずせない
”ミラー湖群”のある地域に出ます。
ミラー湖とは文字通り「鏡の湖」というもので、湖面にフィヨルドランド
の山々の姿が鏡のように映ることで有名な湖です。車道から歩いて1分ほど、
実際は湖というほど大きくはありませんが、はい、本当に美しい雪山が湖面
に写っていました。またこの湖には面白い看板があります。湖面に文字が写る
ことを見越して”Mirror Lake”と逆さ文字で書かれており、観光名所になって
います。
そしてこのミラー湖群を過ぎてしばらくすると、バスは森の中を抜け、雄大
なV字谷が見渡せる場所に出てきます。この谷がエグリントン谷といい、ここ
からいよいよフィヨルド渓谷の中にバスは進むことになります。
渓谷の中の森林をバスは走り続けます。両側にはときおり湖が見え隠れしま
す。やがて道はひとつの分岐にたどり着きます。ここは南からの渓谷と北東
からの渓谷が合流する地点で、ここを左折ししばらく走った地点にあるビュー
ポイントからの眺めは、谷底深く流れる渓流と、北東・南東方向に切れ込んだ
V字谷が見渡せ、なかなかのものがあります。
ここからバスはやや登り始め、道の両側には所々に滝が見えるようになり
ます。そして森を抜け、前方がいきなり開けたとき、正面に屏風のように立ち
ふさがる山の姿が見えます。
この山が立ちふさがっているので、長い間陸上からミルフォードサウンドへ
向かうことが出来なかったそうです。そこで出来たのが”ホーマートンネル”
というこの岩肌をくり抜いたトンネルなのです。全長約1200m、道幅の狭い、
薄暗いといった感じのこのトンネルを抜けたとき、その時の風景は誠に絶景
でした。
道はつづら折れに谷底に下っていきます。そして両側後方は切り立った崖。
空は晴天でした。信じられないぐらいに晴れていました。ガイドの方がこの
ような晴天は何ヶ月か振りといってました。遠くには雪を頂いた山。そして
その麓には濃い緑をたたえた森林が望めます。本当に息をのむような景色で
した。
バスはこの道を海辺まで下っていきます。
そうそう、このあたりでは良く”ケア”と呼ばれる鳩ほどの大きさのN・Z
固有種の「飛べる鳥」に出会えます。この鳥、全身が艶やかな黄緑色、羽を
広げるとその中が鮮やかなオレンジ色ときれいな鳥なのですが、ここ数年の
観光化の影響で人に慣れすぎてしまい、最近では人の荷物などをつつきに
行くような悪さをするものも出てきているようです。
そしてこの道を下りきった原生林の中でミルフォードロード最後の観光
場所”キャズム”を訪れます。キャズムは原生林を流れるクレドウ川に出来
た滝で、落差は22m、小川からいきなり滝壺に流れ込んでいるといった
感じで、滝の両側が切り立っており、さらにすぐそばまで木々が迫っている
ため、ガイドの方に「ここに落ちた人は助けようがないので気を付けて
下さい」といわれてしまいました。
そうこの原生林、実は多くはシダ系の植物なのです。しかもそのほとんど
が2m以上もある大型なものなのでほんと驚きました。
さて、このキャズムを過ぎると、目的のミルフォードサウンドはもうすぐ
です。
っということで、次回はそのミルフォードサウンドのことを‥‥
以上、甘 興覇でした。
[2002年12月8日 23時28分9秒]
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